うん、悪くない。


 幸い、運動神経が壊滅的という訳ではなかったようで運動全般は嫌いではないです。以前、逆ダイ(背ダイ)は走り高跳びの要領ですよね! とお話ししていたら「えっ、走り高跳びなんてやったことがない……」と言われたのですが、や、やりませんでしたか……学校で……私めちゃくちゃ校庭で飛んでた記憶があるんですけど……。ともあれ、ああいう個人技を磨くような競技は割と好きでした。逆ダイは個人技。
 スポーツ観戦も嫌いではないです、特にテニスが好きです。テニミュではありません歌いません。でも時々、それこそグランドスラムの試合なんかはフィクション顔負けのスーパープレイが飛び出るので現実は凄いぞ。そしてテニスの何が好きって、とにかく観客がうるさくないところ。応援がやかましいスポーツは総じて苦手です。バレーボールとか、サッカーとか、野球とか。

 

 野球。
 そう、プロ野球ね。
 なんか苦手なんですよプロ野球というものが。
 でもこれも、観戦には行ったことがあるんです。その時はそれなりに面白かった。どのジャンルにも客席を鼓舞し、応援の先導をとる仕切りみたいなひとがいるんだな~ほ~~と思いました。あれは良い知見でした。
 じゃあ何が苦手かと言うとやっぱり野次なんです。野次。野次? おっさんがプロ野球の話をしてるときって、どういう会話になるかご存知ですか。そうですね、私の中のイマジナリおっさんは大体こういう感じで話を進めます。

 

『この間の試合の、あれはあかんかった。ああいうことをしたらアカンねん。しかもあそこであいつを出すやろ。あんなもんすぐ下げな勝てるかい。あーあかんわ。あそこで打たれるとかホンマあかんわ』

 

 以下、延々。

 

 ダメ出しじゃあないんですよ、野次なんですよ。「あれでは駄目だ」の後ろにあるのは「俺ならもっと上手くやれるのに」なんです。ほら、透けて見えるでしょう。おっさんの本心、スケスケだぜ! やめろ見たくない!!!!!
 そんなスケスケのオッサン心が必ず付随するジャンルが「プロ野球」である---ここまでの図式が私の中に完璧に出来上がっている。だから苦手なんだと。つまり私が嫌いなのは実際やりもしないしやれもしないのに口だけ出してやったつもりでいる現実には管を巻いているだけの人間であって、野球は何も悪くない。でもそういうひとが集まるとわかってる場にわざわざ足を運ぶ理由もねぇ、ないじゃないですか。何でもそうですけど。

 


 
 ところでみなさま、まじで走り高跳びってしたことないですか?????